ケア方法

認知症の介護をやる前に読むポイントまとめ

認知症の介護ポイント
認知症の方を介護する人
認知症の人ってなかなか思うようにいかないな。何回も同じ話されたり、急に怒り出したり・・・。ちゃんと対応できるかな、心配で憂うつになっちゃうわ。

そんな悩みを解決しましょう。

 

本記事で伝えたいこと

  • 認知症の介護をやる前に読むポイントまとめ
  • 認知症の人によくある言動と対応方法
  • 認知症にイライラせず介護するために

 

記事を書いている私は、介護の仕事を15年経験。数多くの認知症の方と関わり、直接介護をしてきた経験をもちます。

 

厚生労働省によると、認知症と診断された方は2012年時点で約462万人います。65歳以上の約7人に1人が、認知症のお年寄りということになります。

 

認知症は大きく分けて4つの種類があり、それぞれで症状が異なりまた対応方法も違います。

 

認知症の方と接して困らないよう、この記事を読んでしっかり頭に入れておきましょう。くわしく紹介します。

 

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認知症の介護をやる前に読むポイントまとめ

認知症の介護

認知症の方の介護をするには、認知症のことについてよく知っておく必要があります。

 

よく聞くアルツハイマー型やレビー型など、認知症の種類によって対応方法が異なる場合があるからです。それぞれの型の特徴を知っておきましょう。

 

認知症とは

認知症は「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」をいいます。(厚生労働省みんなのメンタルヘルスより引用)

 

生まれた後に知能の障害が起こるという点で、知的障害とは区別されます。

 

診断についてはDSM-IVを診断基準として細かく規定されていますが、今回は認知症の方の対応についての記事なので割愛します。

 

認知症の種類

認知症には多くの疾患が関与していますが、ここでは代表的な4種類を紹介します。

 

  1. アルツハイマー型認知症
  2. 前頭側頭型認知症
  3. レビー小体型認知症
  4. 脳血管性認知症

 

この4種類で、認知症の9割を占めています。一つずつ詳しく紹介します。

 

アルツハイマー型認知症

神経変性疾患の一つで、脳の神経細胞が死滅することで起こるのがアルツハイマー型認知症です。

 

脳の神経に異常なたんぱく質がたまってしまい、きちんと機能している脳神経細胞を壊してしまいます。

 

記憶をつかさどっている海馬が萎縮し、ついで前頂葉や前頭葉も萎縮します。

 

約束したことを忘れたり、趣味などを楽しめなくなったりします。

 

前頭側頭型認知症

文字通り、前頭葉と側頭葉が萎縮するのが前頭側頭型認知症です。

 

医学的には、人格が変わってしまったり、反社会的な行動をとるなどがみられます。

 

家族が知っている以前の姿と様変わりしてしまうので、戸惑ってしまうことが少なくありません。

 

レビー小体型認知症

脳幹や大脳皮質といった部位に、レビー小体という異常なたんぱく質のかたまりが増えることで引き起こされます。

 

レビー小体型認知症の特徴として、幻視という見えないものが見えるといった症状があります。

 

脳血管性認知症

脳出血や脳梗塞など脳の障害によって組織がこわされ、部位によって認知症が引き起こされるのが脳血管性認知症です。

 

脳深部の白質という部位が、広く循環障害が起こる場合があります。すると虚血状態となって、認知症が起こる場合があります。

 

障害を受けた部位によって、症状が異なるのがポイントです。

 

記憶障害よりも、喋りづらくなったり歩きづらくなったりという症状がでます。

 

うつ症状や意識低下がほかの認知症よりも多くみられるのが特徴です。

 

認知症の人によくある言動と対応方法

認知症の介護

認知症には大きく4種類あって、それぞれに特徴があることが分かったと思います。

 

今度は、それぞれの種類ごとによくある言動と、その対応方法を紹介します。

 

これが分かると、病名を聞いただけでどう対応すれば良いかが頭に浮かぶようになります。

 

種類別のよくある言動と対応方法

それぞれの種類ごとに、どんな言動があるかをまとめています。あなたの関わっている利用者さんを思い浮かべてみてください。

 

アルツハイマー型認知症の方によくある言動

アルツハイマー型認知症の代表的な症状は記憶障害です。何度も同じことを聞いたり、見たものが何か言えなくなってしまいます。

 

ご飯まだ?朝から何も食べさせてもらってないから、お腹すいちゃったよ。

 

(お手玉を見て)コレ何?なんか丸っこくて可愛いよね。何に使うんだろうね?

 

周辺症状として、落ち込んだり怒りやすくなるなど気分が変わりやすくなります。

 

また徘徊したり、今が昼か夜か分からなくなり、昼夜逆転するようなこともあります。

 

夜に起きてきて、おはよ〜随分寝ちゃったよアハハ

 

介護士
介護士
…まだ夜の2時ですよ

 

根本的な治療がないので、いかにあたたかく認知症の方と接することができるかで、人間性を守るかにかかっています。

 

アルツハイマー型認知症の方への対応

記憶障害が主症状である、アルツハイマー型認知症。

 

先のご飯を食べてない方の事例でいうと、よくあるのが「ご飯は食べましたよ」と相手を説得しようとする関わり方。しかし認知症の方はご飯を食べたという記憶がスッポリないので、「ご飯は食べた」という声かけはあまり意味がないことが分かります。

 

ご飯まだ?朝から何も食べさせてもらってないから、お腹空いちゃったよ。

 

介護士
介護士
そうですか、ごめんなさい。今、炊飯器でご飯炊いてるところなのでしばらく待ってもらえます?美味しいご飯炊いてますからね〜。

 

実際にはご飯は食べた。でも本人がご飯を食べたことを忘れてしまった。だとしたら、ご飯は食べたと言われても、本人は納得できないですよね?

 

コイツ俺に飯食わせたくなくて、ウソついてるんだな?と思われます。なので食べさせてあげたいけど、今炊いてるので待って欲しいと言えばどうでしょう。

 

相手のご飯を食べたいというニーズに対して、食べさせたいけど今炊いてるので食べられないと事実(のようなこと)を伝えられます。

 

それによってお年寄りはあぁ食べたいけど、今炊いてるならしょうがないなと思います。

 

多分、数分したらまた同じことを繰り返すかもしれませんが、積もり積もったらきっとお年寄りの感情として違いますよね?

 

さっきのようにウソをついてると思い続けるのか、あぁ仕方ないなって思ってもらえるのか。

 

ウソをついてると思われると、職員に対して怒りの感情が芽生えます。それも忘れてしまうかもしれませんが、顔を見たときになんか気分が悪いなと思われるかもしれません。

 

前頭側頭型認知症の方によくある言動

前頭葉は「人格・社会性・言語」をつかさどっています。また側頭葉は主に「記憶・聴覚・言語」をつかさどります。

 

前頭側頭型認知症の特徴的な症状としては、以下の5つがあります。

 

  1. 身だしなみがだらしないなどの社会性の欠如
  2. 暴力をふるうなど抑制がきかなくなる
  3. いつもおなじことを繰り返す
  4. 感情が鈍くなる
  5. 言われたことをおうむ返しするなど自発的な言葉が出なくなる

 

これらの症状が徐々に進行して6年から8年で寝たきりにまでなってしまいます。

 

前頭側頭型認知症の方への対応

発症が50代から60代と若いため、自分が病気であると認識が薄いことがあります。また暴力をふるったりと対応が難しく、特徴的なので関わり方にも工夫が必要です。

 

病気の認識がないので、身だしなみなどはさりげなく伝えると良いでしょう。

 

介護士
介護士
◯さんどうした?なんかヒゲがワイルドだね。

 

また感情が鈍くなるので、できるだけ表情を豊かにしたり話しかけたりして、本人の感情に働きかけるように関わると良いでしょう。

 

たとえお年寄りの感情が鈍っていったとしても、関わる方まで大人しくしなければいけないことはありません。(お年寄りがそれを望めば別ですが)

 

お年寄りの反応が薄かったとしても、感情に働きかけて刺激のある生活を送ってもらうようにすると良いでしょう。

 

レビー小体型認知症の方によくある言動

いつどこという認知機能の障害がありますが、良い時と悪い時でムラがみられるのが特徴です。

 

レビー小体型認知症に特徴的な症状としては、幻視です。

 

なんかあそこにおじさんが立ってるけど、誰かねぇ?

 

介護士
介護士
怖いからやめてください

 

こうした幻視は、特に夜間に多くみられます。

 

ほかには手の震えがみられたり、転びやすくなったりするパーキンソン症状が出現します。このほか起立性低血圧など、自律神経障害がみられる方もいます。

 

レビー小体型認知症の方への対応

ポイントは転倒しないようにするということです。パーキンソン症状があるので、体が動きにくくなって転びやすいという特徴があるからです。

 

認知症とはいっても、歩く機会を作ったり、体操で手足をよく動かしたりリハビリを行うことが大切です。

 

幻視があることについては、否定してしまうと混乱してしまうので受け入れるようにすると良いでしょう。

 

なんかあそこにおじさんが立ってるけど、誰かねぇ?

 

介護士
介護士
ねぇ誰かしら。おじさんどなたですか?

 

さりげなくその存在を認めるなどして、お年寄りの気持ちに寄り添った関わりが大切です。

 

幻視によって不安が強くなるときは、一人にせず落ち着くまで一緒にいると良いでしょう。

 

脳血管性認知症の方によくある言動

まだら認知とよばれ、あることはできるが別のことはできないという特徴があります。

 

症状が落ち着いていると思ったら急に悪くなるなど変動もします。脳梗塞などの疾患を伴うので、手足が動きにくかったり、しゃべりにくい、感情失禁などの症状もみられます。

 

あーこんにちは・・・顔見たら悲しくなっちゃった

 

話をしていても、ふいに泣き出したり怒ったりするのでビックリするかもしれません。

 

また思っているように体が動かせないことによって、かんしゃくを起こすということも間々みられます。

 

脳血管性認知症の方への対応

脳血管性認知症の方は、自分が認知症であるということを理解しています。加えて脳血管疾患により体の動きにくさがあるため、自分が思ったように動けないというストレスがあります。

 

介護士
介護士
◯さんどうしたいですか?少し時間をとった方がいいですかね。

 

動作に時間がかかることを理解して、待つことが求められるでしょう。できることとできないことがあるので、できなくても責めるようなことはしてはいけません。

 

また脳血管疾患は再発する怖れがあるので、日頃の体調管理も含めてケアしていく必要があります。

 

認知症にイライラせず介護するために

認知症の介護

認知症の方と接していると、例えば同じことを何度も繰り返したりして対応しているこちらがストレスを溜めやすくなってしまいます。

 

しかし病気であるがゆえにそうした行動をしているということを、よく認識しておくことが大切です。

 

加えて、認知症の種類ごとに症状が違うことを知っているとうまく対応することができるでしょう。

 

認知症の種類と対応方法を知っておく

介護士として認知症の方と接するのであれば、病名などある程度の情報は得ていますよね?

 

ただ認知症といっても、アルツハイマー型なのかレビー小体型認知症なのかによって症状や対応方法などが違います。

 

そしてその知識をよく知っていれば、困惑することが少なくなりスムーズに対応することができるかもしれません。

 

病気だけでなく個人を大切にしよう

病名だけ見てしまうと、この人は脳血管性認知症がからこういう症状だなと結論づけてしまうかもしれません。

 

しかし同じ脳血管性であっても、AさんとBさんは違う人間ですよね。症状としては似たようなものがみられるかもしれませんが、違う人生を歩んできた二人がまったく同じということはあり得ません。

 

なので病気だけをみて短絡的に判断するのではなく、一人一人の人間を見て触れてということを忘れないようにしてください。

 

そこがなくなってしまったら、介護をしている意味がなくなってしまいます。人と人とがつながるのが、介護の醍醐味なのですから。

 

認知症をよく知って介護で癒そう

今回紹介した認知症の種類や対応方法については、基本的な知識として頭にいれておきましょう。

 

とっさの時困惑して対応できないなんてことにならないよう、すぐ使える知識として覚えておきたいところです。

 

認知症を知れば知るほど、頭でっかちになってしまいそうです。この症状の時はどうするんだっけ?のような感じで。

 

しかしまず目の前の人間を見るようにすれば、自然と体や口が動くはずです。なだめようとするのではなくて、困ってるその人がどうしたいのか見極めること。

 

人間を見るという視点を忘れてはいけないと思います。