こんにちは、ココパパです。
今回は11月14日にニュースとなった、佐賀県の老人ホームで犯人扱いされてうつになった女性の件について考察していきます。
職場で犯人扱いされうつに 無罪の女性に異例の労災認定 https://t.co/BAaL3ZcK0v
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) November 13, 2019
Contents
職場で犯人扱いされた事件の概要
はじめにこの事件の概要について、おさらいしておきましょう。
2014年12月に起きた事件で、老人ホームに入所する男性の胃ろうカテーテルを女性職員が抜いたとして、傷害罪に問われています。
老人ホームに入居する男性の胃ろうのカテーテルを抜いたとして傷害罪に問われ、無罪判決を受けた佐賀県鹿島市の女性(34)が労災と認定されたことがわかった。労働基準監督署は、女性が施設側から犯人扱いされて自宅待機を命じられ、直後に適応障害を発病したと判断した。専門家によると、無罪事件を巡る労災認定は珍しい。
女性の代理人の吉田俊介弁護士(福岡県弁護士会)によると、認定は4月23日付。女性は、佐賀県嬉野市の老人ホームに介護職員として勤務していた。2014年12月、入所する90代男性の胃ろうのカテーテルが抜けることがあり、県警は15年5月、男性の胃を傷つけたなどとして傷害容疑で女性を逮捕。女性は傷害罪で起訴されたが無罪を主張した。佐賀地裁は17年12月に「被告がカテーテルを故意に抜いたというには合理的な疑いが残る」として無罪判決を言い渡し、その後確定した。
女性側は「ホームを運営する社会福祉法人が女性の関与を疑って自宅待機を命じたうえで警察に通報した」とし、「適応障害を発病したのは自宅待機命令がきっかけ」と主張。18年10月に武雄労働基準監督署に労災を申請した。労基署は待機命令直後の15年3月初旬に適応障害を発病したと認定。「無実を訴えていたが一方的に犯人扱いされ、自宅待機を命令された」として心理的負荷を3段階の「強」と判断した。
自宅待機命令後の逮捕や1年近い勾留で症状が悪化し、うつ状態に。一時は睡眠障害で足が動かず車いすでの生活を強いられ、現在も働けないという。
労災問題に詳しい松丸正弁護士(大阪弁護士会)は「職場の不十分な調査で横領などが疑われ、退職に追い込まれることは少なくない。今回は冤罪(えんざい)だとはっきりしたケースで労災認定は当然だが、非常に珍しい事例だ」と話す。(朝日新聞デジタルより引用)
胃ろうを抜いたと疑われ、傷害罪で警察に通報されてしまった女性職員。
しかし無罪が確定し、事件がえん罪であったことが疑いのない事実となってしまいました。
今は老人ホームであっても、医療ニーズの高いお年寄りが多く入所するようになっています。そのため、こういった事故が起こらないとも限りません。
今回はこの事件の考察について、私が考えていることを書きたいと思います。
この事件に関しての考察
今や老人ホームであっても、胃ろうをしているお年寄りは珍しくありません。それだけ医療ニーズの高いお年寄りが増えているということです。
そういう意味では介護職員がこういった事件に巻き込まれる恐れは高く、あらぬ疑いをかけられぬために自分の身は自分で守っていく必要があると考えます。
胃ろうが抜けて逮捕?
胃ろうカテーテルは抜けにくいとされていますが、誤って抜けてしまう事故もあります。
胃ろうが入っているお年寄り本人が、引っ張って抜いてしまうということもあり得ます。
今回のニュースでは、お年寄りがどういった状態にあったのか、またどういう理由で胃ろうカテーテルが抜けた可能性があるかという点については書かれていないので分かりません。
また女性が傷害容疑で逮捕されたとありますが、この1回限りのことなのか、それとも過去にも同じようなケースがあったのかも不明です。
いずれにしても胃ろうが抜けて、職員が逮捕されるというのは尋常なことではありません。
通常、胃ろうが抜けてしまったら医療機関等で処置をしてもらいます。その上で、なぜこういうことが起こったかカンファレンスをします。
そういった背景を明らかにしても、女性職員がやったという事実は消えなかったのでしょうか?
施設側と女性職員の関係がうまくいっていなかったことも予想されますし、あるいは事故が起こったお年寄りの状態が予想以上に悪かったことが影響したのかもしれません。
施設側の落ち度については、不明なままです。

適応障害を起こしてしまったという事実
女性は無実を訴えていたにもかかわらず、自宅待機となりやがて逮捕されるに至ります。
今回えん罪が確定したことで、無実であるのに証明されないというジレンマを抱え、また逮捕までされてしまったことにより適応障害を起こしてもやむを得ないと思われます。
自分が言っていることが間違っていると否定されると、何も言えなくなり、もう罪として認めてしまおうそう思っても致し方ないですよね。
- 適応障害
- うつ状態
- 睡眠障害
これらの症状に苦しんだ女性職員ですが、労災認定がされたことはせめてもの救いでした。
しかしこれだけの症状を背負ってしまうと、なかなか元の健康な状態に戻るのは時間もかかることでしょう。
今回の事件がえん罪だとしたら、どれだけ長期間にわたって体と精神的にダメージを負わされ続けたか分かりません。

胃ろうが抜けるなどの事故は起こりうるのか?
胃ろうは抜けないように保護されるなどしてあるので、それほど簡単に抜けるということはないでしょう。
しかし全くないわけではなく、先にも書きましたが自分でカテーテルを引っ張って抜いてしまうこともあります。
故意ではなく、誤って引っ張ってしまい抜けるというアクシデントもあるかもしれません。
なので胃ろうのあるお年寄りを介護する介護士は、こういった事故が起こりうるといったことを考えて注意を払う必要があります。
介護事故で訴えられないためにすべきこと
介護事故が起こって、家族が施設側を訴えるというのはありうることです。
しかし今回のように、雇用している施設側が職員を訴えるというのは異常なケースとして捉えられます。
私たち介護士が自分の身を守るためにできること、しっかり対策をおこなっていきましょう。
チームで情報を共有しておく
胃ろうカテーテルに関しては、注意を払ってケアをすることは言うまでもないことです。
しかし注意を払っていても、アクシデントにより抜けてしまう恐れもあります。
チームの介護士や看護師とともに、胃ろうの状態についてこまめに確認しておくことが大切です。
抜けそうになるようなことはなかったか、ヒヤリハットがあればチームで検証して抜けないように対策を考えるべきです。
また胃ろう部位の確認をしたら、時刻と名前を紙に記載しておくのも大切です。そうすると犯人探しのようになってしまいますが、そうではありません。
○時まではカテーテルは抜けていませんでした。一時間後の巡回時にカテーテルが抜けていました。
など小まめに記録を残しておくことで、介護士自身の身を守ることになります。自己抜去や、何らかのアクシデントが起こった可能性があるかもしれないからです。
事故原因を明らかにする
事故が起こってしまってからは、その原因を追究し検証することが大切です。
くれぐれも犯人探しをして、一人の職員に責任をなすりつけることはしてはいけません。
どういった状況で事故が起きて、考えられる原因についてチームで検証し合うことが大切です。
傷の具合などによっても、どうやってカテーテルが抜けたのかを探るヒントが得られるかもしれません。
チームで検証して、原因について明らかにしておきましょう。今回の事件では、この検証について不十分だったのではと思われます。
疑われないように自分の身は自分で守ろう
今回の事件について、詳細は明らかになっていないのですが、介護士自身の身は自分で守るべきという教訓は得られました。
証拠が残っていなければ、自分が疑われて逮捕までされる恐れがあるということ。
会社は守ってくれるだろうという根拠のない、安易な回答は期待しないでおいたほうが良いでしょう。
そういった事態にならないためにもケアを丁寧にするのはもちろんですが、事故が起きた時のことも想定しておくことが大切です。
記録を残して疑われないように証拠を明らかにしたり、チームで原因を検証して事実をはっきりしておくこと。
これらの対策をとることで、疑われても言い訳することができます。
自分の身は自分で守る。明日は我が身だと思って、気を引き締めて仕事に臨みましょう。
介護の職場選びは慎重に
訴えられないためにも、介護の職場選びは慎重に行いましょう。
転職エージェントを利用すれば、職場の雰囲気を調べてくれたり、事前に見学へ行ったりすることもできます。
私がおすすめする介護転職エージェントは、3つあります。
- かいご畑
- カイゴジョブ
- きらケア
上記3社は、大手の介護転職エージェントであり、紹介実績が数多くあるという安心感があります。
介護の仕事が初めてでも、資格がなくても全国の求人から紹介してくれます。
また介護の資格講座取得が0円になる制度もあるので、利用した方がゼッタイお得です。
かいご畑
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カイゴジョブ
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