そんな悩みにお答えします。
この記事の内容
- 障害者の虐待が過去最高2745件に!介護も他人ごとではない
- 障害者虐待に関する考察
- 虐待は障害者でも高齢者でも許してはいけない
福祉の仕事15年以上ココパパです。
厚生労働省より発表された、平成30年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等の内容を紹介します。
それによると、障害者への虐待は過去最高の2745件にも上ったことが明らかになりました。
介護と無関係ではない障害者の虐待の実態について、詳しく紹介します。
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Contents
障害者の虐待が過去最高2745件に!

厚生労働省では、毎年度、都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等を明らかにしています。
その中で、平成30年度は過去最高の障害者への虐待件数となりました。
通報しようという意識が高まっている一方で、隠れた虐待がないかきめ細やかな発見と素早い対応が求められています。
通報の件数も過去最多
厚生労働省の同調査によると、平成30年度の障がい者への虐待事例は過去最高で2745件あったとのことです。
また、自治体にあった相談や通報の件数も8577件で過去最多となっています。
これについて厚労省は、以下のような見解を示しています。
相談・通報の意識が高まったことが虐待の発覚が増えた要因の1つだと指摘している。担当者は「重篤な事案は徐々にエスカレートして起きることが多い。軽微の段階で相談・通報することによって重篤化を防げる」と説明。「虐待を発見したら小さなことでも隠すことなく相談・通報することが大事。施設・事業所の方々にもお願いしたい」と呼びかけている。
虐待&通報したのは誰?
虐待の内訳は、下記の通りです。
- 家族など「養護者」によるもの1612件
- 障害福祉サービス事業所などの職員によるもの592件
- 職場の使用者によるもの541件
これらの件数についても、いずれも過去最多となっています。
相談・通報件数の内訳は、下記の通りです。
- 養護者による虐待5331件
- 事業所などの職員による虐待2605件
- 使用者による虐待641件
通報者は、下記の通りです。
- 「養護者による虐待」警察による通報が31.8%で最多。以下、本人による通報(17.1%)や事業所などの職員による通報(15.6%)、相談支援専門員による通報(15.4%)。加害者は男性が62.2%、女性が37.8%だった。
- 「事業所などの職員による虐待」その事業所の他の職員による通報が17.9%で最多。設置者・管理者による通報12.6%。加害者は男性が70.5%、女性が29.5%。
障害者虐待に関する考察

障害者への虐待が過去最高件数であったというのは、ショッキングな結果でした。
しかし今まで通報されなかったケースが、通報されるようになったと考えることもできます。
調査の結果から言えることは、厚生労働省も指摘しているように軽微なうちに虐待の芽を摘みとっておくことが大切だということだと思います。
職員による虐待も多い
虐待をした者の内訳としては、家族など養護者によるものが最も多くなっています。
しかし次いで多いのが、職員によるもので592件となっています。
1年間に起こった件数としては、決して少なくありません。
通報された件数だけでも2605件あり、1ヵ月に217件もの虐待通報がされていることになります。
虐待をしている事業所の他の職員が、虐待を発見して通報したケースが約3割となっています。
障害者施設等ではたらく職員が虐待をするというのは、衝撃的です。
障害者は言葉に出来なかったり反抗できなかったりする場合もあるため、発見が遅れることも予想できます。

虐待が発生した要因とは?
職員による虐待について、市区町村等職員が判断した発生要因は以下の通りです。
- 「教育・知識・介護技術等に関する問題」73.1%
- 「職員のストレスや感情コントロールの問題」57.0%
- 「倫理観や理念の欠如」52.8%
- 「虐待を助長する組織風土や職員間の関係性の悪さ」22.6%
- 「人員不足や人員配置の問題及び関連する多忙さ」20.4%
教育不足だったり、イライラが募って感情的になり手が出てしまうといったケースが多いことが分かります。
虐待が認められた事業所種別としては、障害者支援施設が23%と最も高くなっています。
業務多忙により心身ともに職員が疲労し、また技術不足も伴って虐待につながってしまったことが分かります。
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障害者虐待を防ぐためにできること
職員による虐待を防ぐためにできることとしては、下記のようなものが考えられます。
- 教育や知識等研修を充実させる
- 職場環境を見直して職員が働きやすくする
- 職場の人間関係を良くする
虐待の発生要因上位3つに関しては、職員の未熟さによるものが影響しています。
職場での指導や教育をきちんと行うことで、虐待防止につなげられます。
また仕事が多忙であれば職員のストレスもたまりやすく、イライラが募って手が出ることも考えられます。
職員の疲弊について、様子を伺って疲れすぎないよう環境を整えることも大切です。
職場の人間関係が悪いことも虐待につながるので、リーダー等が働きやすい環境に調整することも必要です。

虐待は障害者でも高齢者でも許してはいけない
今回の調査で虐待件数や通報件数が増えたのは、通報しようという意識が高まったことが要因とされています。
一方で今まで通報されなかった虐待など、隠れたものもあると思われます。
虐待は障害者だけでなく、高齢者でも起こりうることです。
虐待は障害者であっても高齢者であっても、許される行為ではありません。
介護に身を置く私たちも、明日は我が身で虐待が起こりかねないという危険性をもっていることを理解しましょう。
そして、高齢者虐待をゼッタイ許さないという強い姿勢をもって日々のケアを行いましょう。
